日々雑感 富士通の携帯事業からの撤退

 富士通が携帯事業からの撤退を決めたようですが、現状のただハードを作って売るだけなら続ける意味はありませんし、もっと早くに撤退していてもよかったように思います。

 IT時代以前のエレクトロニクス製品は多様な用途に合わせてハードを作っていましたが、IT時代になるとハードの作り変えは最小限にしてソフトで多様なニーズに対応するようになりました。そうなるとハードに求められているのは最低限のスペックでしかなく、付加価値はハードではなくソフトに移ります。パソコンやスマートフォンの場合はハードと外部のソフトをつなぐ役割を果たすのがOSで、このOSの規格に合わせて外部の企業がソフトを作ります。そしていったん特定のOSの規格に合わせてソフトが作られるとOSの利便性が上がって顧客が増え、顧客が増えるとさらに外部の企業がOSの規格に合わせてさまざまなソフトを作るという好循環が起こります。また、ソフト会社もソフトを作るのにそれなりの資金が必要なので、異なる規格に合わせてソフトを作るのはせいぜい2~3つくらいまでで、いったん規格が普及するとそのあとから規格を作っても新規参入することはほぼ不可能になります。現在の情報機器市場ではOSで主導権を握った企業が圧倒的に強くなり、パソコンではWindowsを普及させたマイクロソフト、スマートフォンではiOSを普及させたアップルとAndroidを普及させたグーグルに利益が集中しています。そしてハードを作って売るだけならトップシェアでもほとんど利益の出ない市場になっているのです。

 日本企業がこの情報機器市場に参戦するのであればOSで主導権を握ることを真っ先に考えるべきでしたが、日本はモノ作りという思い込みが強くソフトの重要性に気づかないまま無意味な価格競争に巻き込まれ続けてきました。現在の情報機器市場で求められているのはOSを含めたプラットフォームで差別化することで、それができなければ薄利多売の過酷な競争を延々と続けるしかありません。現状の日本企業はプラットフォームで主導権を握れないのであれば早々に撤退するしかなく、それが遅れるとシャープのように薄利多売に強みのある海外企業に買収されるしか選択肢がなくなります。モノ作りにばかり固執してソフトの重要性に気づかないのであれば、これからも外資に買収される日本企業が出てくるのではないかと思います。

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Author:パラケルスズ
アラサーの投資家です。長期で持つほど気長ではありませんが、毎日モニターを凝視するデイトレも面倒くさいので、レバレッジをきかせつつ2、3週間保持するトレードを行っています。

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