日々雑感 日本の株主総会に変化の兆し

 最近の日本の株主総会では旧村上ファンド系の提案が可決され、多くの企業で役割の良くわからない相談役や顧問の存在が批判されるなど、ようやく株主のチェック機能が働きはじめたようです。

 日本ではファンドが適当に利益を出せ出せと要求しているように思っている人が多いようですが、ファンドはあくまで資金を有効活用しておらず株価が企業の純資産と変わらない企業にターゲットを絞って経営の改善を要求しているにすぎません。株価が企業が持つ純資産の何倍かを示す指標としてPBRがありますが、このPBRはPERにROEをかけたもので表され、通常PERは一定の値をとるので企業が自己資本をどれだけ有効活用しているかを示すROEがPBRに影響を与えます。そして普通に稼いでいればPBRが2~3倍になるのですが、非効率な経営をしていればPBRが1に近くなります。PBRが1ということは株価が企業の持つ純資産とほぼ同じで、全員クビにして資産を売っぱらっても経済価値は変わらないということになります。そしてファンドから見ればPBRが1に近ければ経営に介入して失敗しても資産を売ればほとんど損をしないので、経営に文句を言いやすくなります。ファンドは適当に企業に利益を要求しているのではなく、預かった資本を有効活用せずPBRが1に近い企業を狙って文句を言っているのです。

 そして現在の日本では景気が良いにもかかわらずPBR1倍割れ企業が4割強あります。約半分の企業がPBR1倍を割っているのに株主がほとんど経営に文句を言ってこなかったこと自体が異常ですし、預かった資金を食いつぶしている企業が半分近くある国の経済が低迷しているのはむしろ当然でしょう。資本主義は資本の有効活用をすることで経済を成長させる経済システムで、その資本を有効活用しているかをチェックするのが株主です。その株主のチェック機能を日本人自ら弱めて資本の有効活用をしてこなかったのですから、日本経済が低迷しているのは衰退ではなく自業自得です。日本経済に必要なのはデフレ脱却でも成長戦略でもなく、資本の有効活用をすることができない経営者を退出させることなのです。

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Author:パラケルスズ
アラサーの投資家です。長期で持つほど気長ではありませんが、毎日モニターを凝視するデイトレも面倒くさいので、レバレッジをきかせつつ2、3週間保持するトレードを行っています。

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