日々雑感 アベノミクスにおける企業業績

 先日の都議会選挙で都民ファーストが勝利し、自民党の基盤が少し揺らぎ始めたようです。自民党に勢いがなくなればアベノミクスに対する批判も強まってくるでしょうが、今回はアベノミクスにおける企業業績の改善において整理していきたいと思います。

 第二次安倍政権になってから急に企業業績が良くなったように思っている人がたくさんいると思いますが、実際はリーマンブラザーズ破綻による金融危機が一段落してから民主党政権下でも企業業績は改善していました。下図が日本企業のROEの推移ですが、短期的には乱高下があるものの日本企業の収益性は98年で大底を打って長期的には上昇しています。
自己資本利益率推移 法人企業統計
法人企業統計より

そして収益性という観点からみればむしろ民主党政権期のほうが改善しており、第二次安倍政権期では頭打ちになっています。アベノミクスで業績が良くなったように見えるのは株価が安倍政権になってから急騰して市場の雰囲気が変わったからで、現実の企業業績に大きな変化はありませんでした。また、アベノミクスではデフレ脱却を掲げてきましたが、そもそも日本企業の収益性はデフレの前から長期的に悪化しており、むしろデフレが始まった98年からゆるやかに上昇トレンドに入っています。アベノミクスではデフレ脱却を掲げてきたものの、アベノミクス自体がデフレになってからの業績改善の延長戦上にあるものなのです。ただし、業績が改善したといってもROEは世界平均が15~20%程度なのにもかかわらず、日本は一桁台で世界の中で著しく低い状況は変わっていません。日本経済の抱える問題は景気が良くならないことではなく、景気が良くなったところで低いレベルで収益性の改善が止まってしまうことにあるのです。

 ここから安倍政権の支持率が下がればメディアや野党はアベノミクス批判を行うでしょうが、もともとアベノミクスになって何かが変わったわけではありません。日本が抱える問題は収益性・資本効率の低さで、それはどの政権でも変わりません。そしてその収益性・資本効率の低下はデフレが始まる前から始まっており、むしろデフレに入ってから企業の収益性は若干改善しています。日本経済において必要なのは政権批判ではなく、そもそもデフレが経済低迷の原因なのかということをマクロ経済指標、経営指標をベースにして考え直すことなのではないかと思います。
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パラケルスズ

Author:パラケルスズ
アラサーの投資家です。長期で持つほど気長ではありませんが、毎日モニターを凝視するデイトレも面倒くさいので、レバレッジをきかせつつ2、3週間保持するトレードを行っています。

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