日々雑感 付加価値からみた日本経済

 今回は付加価値の観点から日本経済を分析したいと思います。

 付加価値とは売上から材料費など中間投入物を引いたもので、人件費、支払利息、動産不動産賃借料、租税公課、営業純益(営業利益-支払利息)で構成されます。そして経済において付加価値を生むには企業が預かった資金の有効活用をしていることが必要で、企業が資金を有効活用して付加価値を生んでいれば賃金、利益、金利、税収ともに増えるのです。そしてここ30年くらいの日本の付加価値の推移が下図①で、金額の少ない支払利息、賃借料、租税公課、営業純益の部分をクローズアップしたのが下図②です。
図①付加価値1

図②付加価値2

ともに法人企業統計より作成 単位:億円

 日本の付加価値は1990年くらいまでは順調にのびていましたが、その後横ばいが続いています。そして人件費、賃借料、租税公課も付加価値と同様に横ばいが続いています。一方、大きく変化したのが支払利息と営業純益で、支払利息は91年に約37兆円台だったものが現在は約6分の1の6兆円台にまで落ちています。一方営業純益は93年に2兆円台にまで落ちたものが現在は49兆円台にまで上昇しています。このことから、90年代以降の日本は全体として付加価値を生まずに支払利息を減少させて利益をかさ上げしてきたことになります。そしてこの支払利息削減による利益の上昇は経済的には全く意味がありません。

 会計上は支払利息はコスト要因なので少なければ少ないほど良いように思いますが、付加価値の観点からみれば支払利息も付加価値の一要素なので支払利息を減らして利益を増やしても付加価値の合計は増えません。本来は企業が預かった資金を有効活用して付加価値を生み、それが利益、賃金、金利、税収、賃借料の増加につながります。しかし、現在の日本の経営者は預かった資金を有効活用しておらず、ただ支払利息を減らして利益のかさ上げをしているだけで付加価値は生んでいません。そして付加価値の合計がGDPなのですから支払利息を減らして利益をかさ上げしても経済が成長するはずがありません。日本経済が成長していないのは日本の経営者が目先の会計上の利益を増やすことしか考えておらず、付加価値を生んでいないことにあるのです。
スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

パラケルスズ

Author:パラケルスズ
アラサーの投資家です。長期で持つほど気長ではありませんが、毎日モニターを凝視するデイトレも面倒くさいので、レバレッジをきかせつつ2、3週間保持するトレードを行っています。

検索フォーム
カテゴリ
月別アーカイブ
最新記事
最新コメント
最新トラックバック
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる