今週の見通し

今日の日経平均は下落して始まっています。目先はまだ調整が続きそうですが、長期の下落トレンドに入ったわけではないと考えています。しばらくは上下を繰り返しながら、次の長期トレンドが上なのか下なのかを探る展開が続きそうです。
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日々雑感 景気が良くなっても賃金が上がらない理由

 景気が良くなっても賃金が上がらないことに不満を持つ人が多いようですが、景気がよくなっても賃金が上がらないのは不況の時にほとんど賃金が下がっていないからです。

 売上から材料費などの中間投入物を引いたものが付加価値で、この付加価値が分配されると人件費や利益、税収、動産不動産賃借料などになります。そして日本の付加価値と人件費の長期推移を表したのが下図です。
付加価値人件費
法人企業統計より作成 金融保険除く 単位:億円

日本の付加価値は90年代前半から横ばいが続き、それと連動して人件費も横ばいが続いています。ただ、付加価値のほうが振れ幅が大きく景気がよくなると大きく伸びますが、不況になると大きく下がります。一方、日本の人件費は振れ幅が小さく、サブプライム危機やリーマンブラザーズが破綻した2007年から2009年の金融危機時に付加価値は約7.7%下がりましたが人件費は約0,7%しか下がっていません。日本ではいったん雇うと簡単に解雇できず賃金も下げられないため不況でも人件費が下がらず、その代わり景気がよくなっても簡単に人件費を増やすことができないのです。そして労働分配率の長期推移が下図ですが、賃金が上昇していたバブル期も含めて日本の労働分配率は景気が良くなると下がり、不況になると上がります。
労働分配率
法人企業統計より作成

現在景気が良くても労働分配率が下がることに不満を持つ人が多いようですが、それは賃金が上がっていたバブル期も同じことで、日本の労働者が不況期に簡単に解雇できず賃金も下げられない以上景気が良くなってもそれと連動して賃金を上げることはできず、景気が良くなると労働分配率は下がるのです。

 長期的に賃金を上げるには長期的に付加価値が増えていることが必要ですが、90年代前半以降の日本は景気が良くなることは何度もありましたが、不況期になって景気が一循環すると付加価値が元に戻ってしまうことを繰り返してきました。経営者はこの経験があるため景気が良くなったからと言って簡単に賃金を増やさないのです。現在の景気拡大はずいぶん長くなっていますが、これから不況が起きないことはないでしょうから、いずれ来る不況も含めて長期的に付加価値が増えていることを確認しない限り賃金が増えることはありません。景気が良くなっても日本の賃金や労働分配率が増えないのは日本の雇用が固く守られている上に長期的に付加価値が増えていないからで、現在の日本の経済環境・雇用環境が続く限り景気が良くなったからと言ってすぐに賃金を上げることはできないのです。

週末雑感

 現在ドル安が進んでいますが株価は堅調で、最近は為替と株価が必ずしも連動して動かなくなっています。株高がどこまで続くかわかりませんが、為替はもう少しドル安が続くのではないかと考えています。

ポジション追加

 目先はまだ調整が続きそうなので、ドル/円を113.18で売りました。想定通り下落トレンドに入れば一週間程度保持する予定です。

日々雑感 東芝の家電・PCからの撤退

 東芝が家電とPC事業の売却を決めたようです。この決定に対して悲観的になる意見もあるようですが、個人的にはようやくやるべき選択と集中を行い始めたと思っています。

 現在の歴史のある老舗の電機メーカーはインフラ・医療・産業用機器など高い技術が求められて商品サイクルの長い事業でポートフォリオを組み、商品サイクルが早く価格競争の激しい家電や半導体事業からは撤退するのが主流になっています。GEは重電やジェットエンジン、シーメンスは鉄道や産業用機器、フィリップスは医療機器とインフラなどに特化し、家電や半導体事業は売却・分社化して10%以上の営業利益率を維持しています。しかし、日本の総合電機は日本の技術やモノづくりがあれば大丈夫という思い込みで競争の激化した市場からの撤退が遅れ、営業利益率は平時でも3%程度で不況になると数千億の赤字を出すということを繰り返してきました。そして東芝は企業買収失敗の大赤字をきっかけにようやく家電やPC、半導体の売却を行うことを決め、世界にずいぶん遅れて選択と集中を始めたのです。東芝の大赤字のきっかけは海外企業買収の失敗ですが、この買収の失敗があろうとなかろうと、選択と集中を行わないまま平常時で3%程度の営業利益率しか出せない状態ならいずれ行き詰っていたでしょう。

 現在の東芝に何が残っているのかという意見もあるようですが、個人的には十分伸びしろがあると考えています。東芝のエスカレーター事業はエスカレーターだけでなく建物のセキュリティシステム、オフィスの合理化などに広げて建物の総合ソリューションを提供すれば十分に成長事業になります。また、東芝子会社の東芝テックはPOSシステムで国内でも海外でもそこそのこのシェアを持っており、最近開発している無人レジが普及すれば大きく飛躍するでしょう。世間ではIoT、IoTと騒いでいますが、東芝はそのIoTの本命になりうる事業を展開することが可能です。家電やPC事業の売却に悲観することはありませんし、むしろ10年前にさっさと売却すべき事業だったのです。現在の東芝は本来なら10年前にやるべき選択と集中をようやく行うようになった状態で、潜在的な成長性はあると思います。ただ、依然原子力事業は不確定要素が多く、今後の環境次第ではもう一段の試練が待ち構えている可能性も否定できません。

プロフィール

パラケルスズ

Author:パラケルスズ
アラサーの投資家です。長期で持つほど気長ではありませんが、毎日モニターを凝視するデイトレも面倒くさいので、レバレッジをきかせつつ2、3週間保持するトレードを行っています。

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