今週の見通し

 日本株はいったん調整に入ったように思いますが、アメリカ株は下げ渋っています。アメリカ株が下げないなら日本株も大きく下げないでしょうし、アメリカ株が下げ始めれば世界の株価も本格的に下落トレンドに入ると思います。目先はアメリカ次第でしょうし、今週はアメリカ株の動向を見定める週になると思います。


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日々雑感 東芝の自社株買い

 先日、東芝が7000億の自社株買いを発表しましたが、東芝に限らず日本企業がよく行う手元にある現金での自社株買いは一時的に需給要因で株価が上がることはあっても長期の株価や企業価値に影響を与えることはありません。

 現金での自社株買いは一株当たり利益(EPS)を上昇させるため、株主還元を行っているように思いがちです。しかし、自社株買いで財務レバレッジが上昇して財務リスクが上がると株主の期待利回りが上がり、株主の期待利回りが上がると(株主の期待利回り-利益成長率)の逆数で表されるPERが下がります。株価=EPS×PERなので自社株買いでEPSが上昇してもPERが下落して長期の株価は変わらないのです。一方、自社株買いを現金でなく負債で調達した場合は節税効果があるぶん企業価値が上がります。ただし、自己資本比率が低すぎる場合に負債で調達すると倒産コストが上がるため、自己資本比率が低い場合は負債調達の自社株買いはするべきではありません。結局、自社株買いで企業価値が上がるのは自己資本比率が高い場合に負債で調達して自社株買いを行うときのみで、現金で自社株買いを行っても長期的な株価に影響はありません。

 東芝が発表した自社株買いは手元現金での自社株買いなので理論的な株価は変わらず意味はありません。また、東芝の営業利益率は1%台、自己資本比率は20%以下で少し市況が悪化すればまた現金不足に陥る可能性があり、自社株買いをする余裕などないはずです。短期で売り抜けたいファンドにとっては自社株買いによる需給要因で株価が上がればそれでよいのでしょうが、東芝の経営陣が現金での自社株買いが理論的に意味はないことを示せば無意味なことを要求できないと思います。ただ、日本の経営者で現金での自社株買いが理論的に意味はないことを知っている人はほとんどいないでしょうし、そうであればこれからも無意味な自社株買いが続きます。日本ではMBAが必要ないと思われているようですが、それはMBAが必要ないのではなく専門知識がなく損をしていることに気づいていないだけなのではないかと思います。

週末雑感

 今週は米朝会談、FOMCなどイベントが盛りだくさんでしたが、ナスダックだけは高値更新するもののそれ以外はトレンドがはっきりしない状況です。ここからはナスダックを追いかけて他の銘柄も上昇するのか、それともナスダックが息切れすると同時に全体が売られるのかどちらかだと思います。個人的には後者の可能性が高いと思いますが、ナスダックが高値更新する間はあわてて売ることはしない予定です。

日々雑感 日本の労働生産性は今も昔も低いまま

 最近になって日本の労働生産性の低さが指摘されるようになりましたが、日本の労働生産性が低いのは今に始まったことではありません。20世紀初頭の日本の労働生産性はアメリカの20%くらいでその後キャッチアップして差が縮まるのですが、日本が繁栄を謳歌した1990年でもアメリカの6割程度で欧州の平均よりも低い状況でした。そしてその差が埋まることなく今でも日本の労働生産性はアメリカの6割程度で欧州の平均よりも低い状況が続いています。日本の労働生産性の低さは日本が衰退したのではなく、もともとその程度でしかなかったのです。

 また、労働生産性は資本装備率(=資本ストックを労働投入量で割ったもの)×資本生産性(=付加価値を資本ストックで割ったもの)で表すこともできますが、下図が日本の労働生産性、資本装備率、資本係数(=資本生産性の逆数)の推移です。

平成21年労働経済の分析 資本装備率、労働生産性推移
平成21年労働経済の分析より

日本の資本係数の推移
通商白書2002 資本係数国際比較
通商白書2002より 

注:このグラフは2000年までしかありませんが、その後の日本の資本係数は上がり続けて(=資本生産性は下がり続けて)現在は2.7くらいです

資本係数は2程度で長期的に変化がないのが普通で、資本係数が変わらないなら資本装備率が増えれば労働生産性も同じように増えます。しかし、日本は70年代から資本係数が上昇し続けており(=資本生産性が低下し続けており)、資本装備率の上昇ほど労働生産性が増えていません。この資本生産性の低下が日本の労働生産性が低い原因になっているのです。

 そして日本の労働生産性が増えていても資本装備率が増えるだけなら賃金や消費などの上昇にはつながりません。資本装備率はあくまで付加価値を生む元手にすぎず、その元手を有効活用することで付加価値の増加につながります。そしてその付加価値が分配面で見ると賃金、利益、税収になり、支出面で見ると消費や投資になるのですから、資本ストックの有効活用をして付加価値を生んでいない限り賃金、消費の上昇にはつながりません。結局のところ日本の賃金、消費が増えないのは資本生産性の低下によるもので、ここを改善しない限り日本は豊かにならないのです。そしてその資本生産性が低下したのはデフレのはるか前の1970年代から始まっており、資本効率の側面から見る限りデフレは不況の原因ではありません。労働生産性を高めるにはただ数字を追いかけるだけでは意味がなく、その原因が資本生産性の低下にあること、そしてその資本生産性の低下がデフレのはるか前に起こっていることを認識し、なんでもかんでもデフレのせいにする現在の日本の経済に関する議論が正しいのかを再検証する必要があると思います。

今週の見通し

 今週は米朝会談、FOMC、ECB、日銀政策決定会合とイベントが続きます。現在はナスダックのみ高値更新していますがそれ以外はまだトレンドがはっきりしておらず、今週のイベントが終わった後に本格的に動き始めるでしょう。日本取引所の売買動向を見るとまた外国人が売り始めているので、イベントで一時的に急上昇しても今月後半からは下落が始まるのではないかと考えています。


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パラケルスズ

Author:パラケルスズ
アラサーの投資家です。長期で持つほど気長ではありませんが、毎日モニターを凝視するデイトレも面倒くさいので、レバレッジをきかせつつ2、3週間保持するトレードを行っています。

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